チームの形成段階とは?

寄稿者 Sarah Laoyan の顔写真Sarah Laoyan
2024年2月29日
facebookx-twitterlinkedin
テンプレートを表示

概要

新しいチームがピークパフォーマンスを発揮するまでに時間がかかることを不思議に思ったことはありませんか?この記事では、チーム形成のさまざまな段階と、チームの形成段階を導き、コラボレーションを高める方法をご説明します。

チームリーダーの目標は、チームがインパクトの大きな仕事を成し遂げられるようにサポートし、力を引き出すことです。チームメンバーがコラボレーションしやすいと感じていれば、一緒に仕事がしやすくなります。逆に、チームがうまくかみ合わないと、仕事を終わらせるのに時間がかかってしまうかもしれません。

チームが成長していく過程で経験するさまざまな段階を最初に文書化したのは、心理学者のブルース・タックマンでした。この記事では、チーム形成のさまざまな段階と、最大限にコラボレーションするためにチームをどのように導いていけばよいかについてご説明します。


くり返し作業を自動化し、コミュニケーションの円滑化とコラボレーションの向上にも役立つ Asana は、30 日間無料ですべての機能をお試しいただけます。

Asana でチームのコラボレーションを向上する方法

チームの形成段階とは?

チームの形成段階 (またはグループの発達段階) は、心理学者のブルース・タックマンが 1965年に発表した「Developmental sequence in small groups」という論文で初めて紹介されました。この論文では、見知らぬ者同士の集まりであったチームメンバーたちが、5 つの段階を経て機能性の高いチームになるまでの流れが論じられています。

この論文は、チームの形成段階の基礎となりました。タックマンの基礎は、チームリーダーが、プロジェクトの進行に伴ってチームダイナミクスがどのように変化するかを理解するのに役立ちます。チーム形成の 5 つの段階を理解することで、チームがお互いを知り合っていく過程をサポートし、コラボレーションと効果的なチームワークを迅速に実現することができるのです。

記事: チームによるコラボレーションの効率をアップさせる 10 個の簡単な手順

チーム形成の 5 つの段階

ブルース・タックマンのモデルによると、チームの形成には、形成期 (Forming)、混乱期 (Storming)、統一期 (Norming)、機能期 (Performing)、散会期 (Adjourning) の 5 つの段階があります。

1. 形成期

チーム形成の最初の段階は、形成期です。チーム形成のこの段階では、チームメンバーはお互いに知り合ったばかりです。そのため、どのように関わるべきかわからない状態です。この段階では、チームの生産性はあまり高くありません。というのも、まだチームに慣れておらず、それぞれがチームの中で果たすべき役割を理解していないからです。

2. 混乱期

チーム形成の次の段階は、混乱期です。この段階では、チームメンバーたちは、どのようにして一緒に働くかを検討している最中です。コラボレーションしていく中で、性格の違いやプロジェクトの進め方に対する意見の違いなどから、対立が生じることがあります。それぞれがチーム内でどのような役割を担っているのかを明確に理解していないと、自分に合った役割を見つけようとするあまり、人間関係が乱れてしまうことがあります。

早い段階でチームのコラボレーションを確立することで、この段階での影響を軽減したり、防いだりすることができます。しかし、必ずしも意見の対立が起こらないというわけではありません。実際、意見の相違は効果的なチームコラボレーションに不可欠です。だからこそ、対立が起きたときには、それを避けるのではなく、その都度解決していくことが重要なのです。すでにコラボレーションのスキルを身につけているチームであれば、対立をより簡単かつ迅速に解決することができます。

3. 統一期

この段階になると、チームは自分たちのやり方を見つけ、落ち着き始めます。一緒に仕事をすることに慣れてくると、チームメンバーは、タスクを完了するために助けを求めたり、建設的なフィードバックを得たりすることができるようになります。チームはこの段階で、チームメイトたちの働き方に慣れてきて、生産性が上がり始めます。

記事: ビジネスにおける効率と効果の違い: チームに両方が必要な理由

4. 機能期

この段階では、チームの結束力が高まり、チームメンバーたちが最大限にチームワークを発揮できるようになります。チームは確立されたワークフローに従い、チームメンバーたちは共通の目標に向かって一緒に働いているように感じます。これは、チーム形成の理想的な段階です。チームリーダーの目標は、チームをできるだけ早くこの段階に導くことです。チームをこの段階に到達させる方法については、後ほど詳しく説明します。

5. 散会期

チーム形成の第 5 段階は、悲哀 (Mourning) の段階とも呼ばれる、チームが経験する最後の段階です。プロジェクトが終了したり、チームが解散したりすると、一緒に働いていたチームメンバーは少しの間「悲哀」の期間に入ります。前のチームで強いチームダイナミクスを経験したチームメンバーたちは、他のチームと一緒に仕事をするのが難しくなるかもしれません。

また、この段階では、チームで達成したすべてのことを祝うことができます。達成した成果を振り返り、チームに仕事の醍醐味を思い出してもらう時間を持ちましょう。また、チームメンバーの才能を認め、称賛する絶好の機会でもあります。

チームの形成段階でチームをサポートする方法

新しいチームを作る際には、チームの形成段階を念頭に置くことで、個々のメンバーの能力を最大限に引き出し、効果的にコラボレーションすることができます。チームをサポートする方法に正解はありませんが、チームの結束力を高めるために、次の 4 つの戦略を試してみてはいかがでしょうか。

記事: 優れたグループダイナミクスの秘密

チームのミッションを早期に確立する

新しいチームを作る場合でも、他部門のパートナーと特定のプロジェクトに取り組む場合でも、早い段階でチームのミッションを確立することが重要です。コラボレーションを始める前から目標を設定することで、全員が共通認識を持ち、同じ目標に向かって進むことができます。

チームのニーズに応じて、次のことを決めましょう。

  • 一般的なミッションステートメント。たとえば、コンテンツチームのミッションステートメントは、「ターゲット市場を魅了し、理解を深めるコンテンツを作成すること」のように設定できます。

  • プロジェクトの目標。小規模な部門横断チームの場合、チームのミッションステートメントには、プロジェクトの重要目標を使います。たとえば、ウェブ開発とマーケティングの部門横断チームでは、「ページの読み込み時間を 1.5 秒に短縮する」というプロジェクト目標を設定することができます。

  • チームの役割。たとえば、部門間でコラボレーションしている場合、あるチームのメンバーには、自分が取り組んでいることをチームに報告する役割を与えます。また、ステータス更新を管理する役割を担う人もいるでしょう。

チームのミッションや目標を決めるだけでなく、個々のチームメンバーの役割を決めることも重要です。チームに人を加える際には、プロジェクトを完成させるためにどのようなリソースやスキルが必要なのかに注意を払いましょう。役割が固まってきたら、責任の所在を明確にして、誰がいつまでに何をするのかを全員が把握できるようにすることが大切です。まだ作成していない場合は、RACI チャートを作成して、特定の取り組みに対する実行責任者 (Responsible)、説明責任者 (Accountable)、協業先 (Consulted)、報告先 (Informed) をチームメンバー全員が把握できるようにしましょう。

コミュニケーションのルールをはっきりさせる

チーム結成の早い段階で、明確なコミュニケーション計画を立てましょう。コミュニケーション計画とは、チームが主要な関係者に重要な情報をどのように伝えていくかを定める計画です。コミュニケーションのさまざまな手段を明確にすることで、チームメンバーは効果的に仕事を進め、自分の役割を理解し、仕事に必要な情報がどこにあるかを知ることができます。コミュニケーション計画を確立することで、これらすべてをチームにとって分かりやすい方法で行うことができます。

また、万が一対立が発生した場合にも、どのような手順で解決すればよいのかをチームが把握することができます。強力なコミュニケーションスキルは、対立解決の根幹をなすものです。明確なコミュニケーション計画があれば、チームは建設的な方法で他のメンバーと問題を議論することができます。

記事: 職場で効果的にコミュニケーションをとる 12 のコツ

メールやチャット、スプレッドシートなど、異なる場所に情報を点在化させるのではなく、一か所に整理整頓することで、業務効率は向上します。ワークマネジメントツール Asana に情報を集約して、業務効率化を始めましょう。

無料トライアルを始める

チームメンバーの強みを活かす

チームのパフォーマンスを最大限まで伸ばすには、チームメンバーの役割がとても重要になってきます。その役割とは、自分の担当する正式な役職であったり、チームダイナミクスの中で自然に属している役割であったりします。

チームリーダーは、各チームメンバーの強みに応じて責任を委ね、役割を割り当てるべきです。自然にリーダーになれる人もいれば、リーダーシップは取らなくても、戦略や計画に関してはっきりしたアイデアを持っている人もいます。それぞれの強みを活かして、全員が役割を果たすことでチームワークが確立します。積極的に参加していないメンバーがいたら、意見やアイデアを求めてみましょう。

健全な方法で対立に立ち向かう

対立を避けたくなるかもしれませんが、それではチームビルディングがうまくいきません。チームが力を合わせて問題を解決すれば、お互いを深く信頼できるようになるでしょう。意見の相違があったとしても、お互いに信頼して仕事に取り組むことができるのです。

対立解決は、誠実で偏見のない職場を築くための手段です。リーダーには、チームがどのように協力して対立を解決すべきか、基準を決める責任があります。簡単に行えることとして、定期的に 1on1 ミーティングで率直なフィードバックを行い、チームメンバーがどうすれば改善できるかを提案する方法があります。大きな対立に対処する必要がある場合は、チームの他のメンバーに噂が広がらないように、できるだけ少人数で問題を解決するようにしましょう。

記事: あなたが活用していない最善の対立解決戦略

強いリーダーシップでチームの目標達成をサポートする

強いチームリーダーは、パフォーマンスの高いチームの要です。強いリーダーシップがなければ、チームはパフォーマンスを発揮する段階に到達できないかもしれません。自分自身のリーダーシップスキルを高めることで、コラボレーションのベストプラクティスのお手本となり、チームの潜在能力を最大限に引き出すことができます。

強いリーダーになる方法についてもっと知りたい場合は、Asana のリーダーシップのリソースをご覧ください。


Asana はあらゆる規模のチーム・プロジェクトに適応する柔軟性と使いやすさを持ち合わせたワークマネジメントプラットフォームです。スケジュール管理や工数管理など、すべての仕事を 1 か所に整理できるから、業務効率が向上します。30 日間無料トライアル実施中。

Asana の活用方法を見る

関連リソース

記事

良いグループダイナミクスを築くヒントを紹介